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真面目な独身女性ほど「便利な存在」にされる――京大院卒・49歳が公務員を辞めてニセコへ行った理由【谷口友妃】

ミドル独女~私たちのホンネ~ 49歳瑞希さんの場合

 

■「働き続けた先」が、はっきり見えてしまった

 

 3年後、瑞希さんは、防災関連の部署に異動になった。

 防災部署では、何かあれば休日・夜間の緊急対応が必要になる。昼・夜なく働かなければいけない状況になったことで、「無理して市役所の仕事を続けなくていいよ」と母は言ってくれた。

 その後、コロナワクチン接種業務の部署に異動した瑞希さんは、さらに激務になった。接種スケジュールの調整をしながら、電話でクレーム対応や問い合わせ対応に追われる者、会議室の片隅に山積みになった何千枚もの書類を一人で処理する者、部署のメンバーはもれなく疲弊していた。出入り業者に状況を聞いても、「同規模の自治体と比べて、かなり少ない人数で回している」と言われるほど、人手不足だった。

 それを上層部に訴えても、「対応できる人ばかりを集めた部署だから」と取り合ってくれない。「もう無理です」と訴える職員がほったらかしにされる状況を見ながら、瑞希さんはモンゴルの赤ちゃんのことを思い出していた。

 

「この泣き方は、“満たされている子の泣き方”ですね」

 

 果たして、私はいま満たされているのだろうか。

 そして、瑞希さんは2021年12月で市役所を退職した。「こんなカオスな状況なら、後腐れなく辞められるわ」と考えて。

 公務員になって19年と半年だった。あと半年我慢していれば、退職金の金額は上がっていた。しかし、瑞希さんの頭にあったのは、「いまの時期やったら北海道でスノボとリゾバがめいっぱいできるやん!」という考えだった。

 

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谷口 友妃

たにぐち ゆき

幼少期に父を亡くしシングルマザーの家庭で育つ。心臓病の母との生活で感じた社会の歪みや、働く意味を求めて天職探しをした経験などから「仕事と生きがい」、「幸せな社会のつくり方」などのテーマに関心を持つ。2014年から執筆業を始め、多様な業界で働く人を紹介する社内報の巻頭記事や医療情報の取材記事、介護問題を扱う著名人の連載インタビュー企画などを担当。過去に取材した人の数は2000人以上にのぼる。読売新聞オンライン、みんなの介護「賢人論。」などに記事を執筆。

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